しろもうふのひきだし

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読書備忘録#2_イシューからはじめよ 知的生産のシンプルな本質

読書備忘録#2_イシューからはじめよ 知的生産のシンプルな本質
安宅和人さん

【読もうと思った動機】
生産性向上など、世間では言われているが、よくわからなかった。生み出した価値を、投下した時間で割れば出てくることは知識では知っていたけれど、それからどうしたらいいのかよくわかっていなかった。なので、この本の題名であるイシューからはじめる、つまり問題から逆算で考えよ、そうすれば本質が見えてくると思い、自分の考えがどこまで合っているのか、新たな視点はないかということを求めた。

【概要】
圧倒的に生産性の高い人について、共通項に気づいた。それはひとつのことをやるスピードが10倍20倍と速いわけではない。
ビジネスマン、科学者として両方の経験のある安宅さんが、自身の経験やイシュードリブンの裏付けをしなから、わかりやすく重要性について解説している。

イシューとは。「何に答えを出すべきなのか」について、ブレることなく活動に取り組むことがカギ。
目的地の見えない活動はつらいが、行き先が見えれば力が湧く。
悩むのではなく、考える。
悩むと考えるの違い。
悩む:考えるふり 答えが出ない前提
考える:建設的に考えを組み立てる 答えが出る前提
悩んでいるときづいたら、すぐに休め。悩んでいる自分を察知できるようになろう。
安宅さんは、この「悩まない」ということを仕事上、もっとも大事にしている信念としている。

■序章 この本の考え方 脱「犬の道」
研究テーマなんてゴマンとある。ちょっと面白いなと思う程度でテーマを選んでいたら、本当に大切なことをやるひまがないうちに、一生が終わってしまうんですよ 利根川進 1987年ノーベル賞受賞

常識を捨てる
 バリューのある仕事とは何か
  issueと解の質の2次元で表現できる。
  issueの定義。以下を両方満たすもの。
  A)2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
  B)根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
  「イシュー度」とは自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
  「解の質」とはそのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているのかの度合い
  バリューの高い仕事をしようと思えば、取り組むテーマは「イシュー度」と「解の質」の両方が高くなければならない。
  イシューが低ければ、受益者から見た時の価値はゼロに等しい。うーん、厳しいけどその通りですね。
  
 踏み込んではならない犬の道
  一心不乱に大量の仕事をして右上(イシュー度、解の質の両方高いもの)に行こうとすること。労働量によって左回りで右上に到達するということ)疲弊するだけ。高い確率でダメな人になる。仮に根性でできても仕事をやり方を部下に教えることはできないので、大成しない。
  バリューのある仕事は本当にわずか。
  右上の領域に近づこうとするなら、まずは、①イシュー度を上げ、②解の質を上げていく。この順番。訓練(検討、分析、FB)をすることで使える解の質を生み出せる確率が上がる。
  正しい問題に集中した、正しい訓練が成長に向けたカギとなる。 
 
 圧倒的に生産性の高い人のアプローチ
  イシュードリブン
  仮説ドリブン①
  仮説ドリブン②
  アウトプットドリブン
  メッセージドリブン
  この本の章立てのような進め方。
  このサイクルを、「素早く回し、何回転もさせる」ことが大切。
 
 根性に逃げるな
  5分しか働いていなくても、合意した以上のアウトプットが出せていれば問題ない、というスタンス。
  どこまで意味のあるアウトプットを生み出せるか。そんなプロフェッショナル的な生き方へスイッチを入れることが、高い生産性を生み出すベースになる。 
 
序章 感想
 とにかく、犬の道は回らずに、最短でイシュー度と解の質が高い領域へ行くこと。それは、イシュー度を高め、解の質をあげるという順番。
 私は犬が好きなのでこの表現は好きではないが、つまりは労働量で価値は上がらないよ、ということ。
    
■1章 イシュードリブン 解く前に見極める
イシューを見極める
 何に答えを出す必要があるのか。そのためには、何を明らかにする必要があるのか。
 これは、何のためにやるのか、という意思統一をし、立ち返れる場所をつくっておく。
 
 相談する相手を持つ
  イシューの見極めには、「実際にインパクトがあるか」「説得力あるかたちで検証できるか」「想定する受け手にそれを伝えられるか」という判断が必要。
  知恵袋的な人をもてるかどうかも成果を出す出さないに顕著な差を生む。
 
仮説を立てる
 スタンスを取ることが肝要
  やってみないとわからないよね、といったことは決して言わない。
  1.イシューに答えを出す
   XXの市場規模がどうなっているか?ではなく、XXの市場規模は、縮小に入りつつあるのではないか? 仮説を立て、単なる設問をイシューにする。
  2.必要な情報・分析すべきことがわかる
   仮説を立てることで、はじめて本当に必要な情報や必要な分析が分かる。
  3.分析結果の解釈が明確になる
   仮説がないと、出てきた結果が十分なのかそうでないのかの解釈ができない。労量が大。
  答えを出すべきイシューを仮説を含めて明確にすることで、ムダな作業が大きく減る。つまり、生産性が上がる。
  
 何はともあれ言葉にする
  イシューに対する仮説を立てたら、言葉にする。これがイシューかな?見極めどころかな?客観視できる。チームへの浸透にも必要。
  イシューと仮説は、紙や電子ファイルに言葉として表現することを「徹底」する。病的なまでにこだわろう、と伝えているとのこと。
  うまく言葉にできていないときは、イシューの見極めと仮説の立て方が甘い。
  
 言葉で表現するときのポイント
  主語と動詞を入れる
   言葉は、シンプルであるほどよい。こうすることで、あいまいさが消え、仮説の精度がぐっと高まる。
  WhyよりWhere What How
   Whyという表現には、仮説がなく、何について白黒をはっきりさせようとしているのかが明確になっていない。
   どちらか?どこを目指すべきか?where
   なにを行うべきか?何を避けるべきか?what
   どう行うべきか?どう進めるべきか?how
  
  比較表現を入れる
   △テコいれすべきは、操作性
   〇テコ入れすべきは、処理能力のようなハードスペックではなく、むしろ操作性
  
よいイシューの3条件
 よいイシューは、自分やチームを奮い立たせ、検証されたあかつきには、受け手をうならせるもの。
 
 一.本質的な選択肢である
  答えが出ると、そこから先の検討方向性に大きく影響を与えるもの。
  本質的な選択肢=カギとなる質問。 なんちゃってイシューには気を付ける。例えば、ブランドが低迷しているときに、今のブランドで戦うべきか?の前に、市場自体が縮小しているのか、競合に負けているのかがわからないと、ブランドの方向性をきめることがイシューなのかわからない。
  イシューは動く標的。会社ごと、部署ごと、日ごと、あるいは話している相手ごとに異なるのが普通。イシューとは、いま、答えを出さなければならないこと。人によってイシューは異なる。主語を確認するようにする。
  
 一.深い仮説がある
  常識を覆すような洞察や、新しい構造で世の中を説明したりしている。検証できれば、価値を生むことを誰もが納得できる。
  常識を否定するようなこと。地動説や呼吸の仕組みの例。売り上げはAセグメントだが、収益ではBセグメントなど。
  新しい構造で説明すること。そもそも、人が何かを理解するというのは、二つ以上の異なる既知の情報に新しいつながりを発見することだと言い換えられる。
  共通項の発見(オフィス用プリンタとビル内エアコンは収益構造の仕組みがおなじ)、関係性の発見(ポールとジョンは仲良し、ジョンとリッチは仲違いのとき、ポールの最近の行動を見れば、おおむねリッチが何をしているのかわかる)、グルーピングの発見(市場セグメンテーション)、ルールの発見(万有引力やガソリン価格の上下が、10か月後にサトウキビ価格の上下と同様に動く、など)。
  
 一.答えを出せる
  現在の自分の技術や状況で答えを出すことができる。本当に既存の手法、あるいは現在着手しうるアプローチで答えを出せるかどうか。
  どれほどカギとなる問いであっても、答えを出せないものは、よいイシューとは言えないのだ。分解することで答えを出せる部分が出てくればそこをイシューとして切り出すこともできる。


イシュー特定のための情報収集
 考えるための材料を入手する
  考えるための材料を「ざっくりと」得ること。 !勉強も同じ。白書とか、仮説をもって見るようにする。そこから広げる。
 コツ 一次情報に触れる
    誰のフィルターも通っていない情報のこと。モノづくりであれば、生産ラインや調達の現場に立つ。現場の人の話を聞く。作業を一緒にする。データであれば、加工されていない生のデータにあたり、変化のパターンや特徴を見る。
    2次情報加工時に、こぼれ落ちた「現実」は、それを直接見ない人には認知できない。コールドコール。フットワークは軽いほうがよい。
    
 コツ 基本情報をスキャンする
    世の中の常識、基本的なことをある程度の固まりとしてダブりもモレもなく、素早くスキャンする。決め打ちをしないこと。ビジネスであれば、ファイブフォース+技術・イノベーション、法制・規制くらい。
    数字:この数字を知らずして議論しても仕方ない、ということを大局的に押さえる。
    問題意識:これを知らないとその分野の人と会話が成り立たないということを一通りカバーする
    フレームワーク:検討している問題が、フレームワークの中でどのように位置づけられ、説明されているのか。
    
 コツ 集めすぎない・知りすぎない
    意図的にざっくりとやる。集めに大量の時間を投下しても、実効的な情報が比例して増えることはない。情報量が多すぎると、「知恵」の量は減っていく。
    これはなんとなくわかる。テストとかしても、最初のころと、少し勉強したころの点数はさほど変わらない。
    
イシュー特定の5つのアプローチ
 通常のやり方ではイシューが見つからない場合
 アプローチ 変数を削る
        要素を削るとか、固定する、グルーピングするということ。
 アプローチ 視覚化する
        脳の性質を利用。かたちが見えると、急速にその対象について何かがわかったと感じることが多い。空間的な広がり(例:お店のレイアウト)、順番(プロセス)、グラフ上での固まりの遷移など。
 アプローチ 最終形からたどる
        最後に何がほしいのか。Thinking Backwards.
 アプローチ So What?を繰り返す
        仮説的な質問を繰り返す。トヨタのなぜなぜ5回と似ているが、ここでは、イシューの見極めに使う。
        例:地球温暖化は間違い→なぜなぜなぜ・・・→地球温暖化を主張する人たちのデータは、北米やヨーロッパの地点の偏りに加え、データの取得方法もしくは処理の仕方に公正さを欠いている。 ほー。より明確なイシューへ。
 アプローチ 極端な事例を考える
        いくつか重要な変数を極端な値に振ってみるとどの要素がカギになっているか見えてくることが多い。

1章 感想
イシューを明確に言葉にして表す。これは立ち返れる場所となる。仮説ベースで検証をしていく。
本質的で、深い仮説(常識を覆すような仮説、新しい構造で説明できる仮説)であり、答えが出せるもの。
あとはテクニックの話。ざーっと全体スキャンをして、適度に情報を集める。イシューが見つからない場合は、変数を削ったり、so whatを繰り返したり、やり方にコツがある。

■2章 仮説ドリブン① イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
天才的といわれるような人々は、仮説の立て方とアプローチの仕方の2点が優れて個性的で、鋭いひらめき、直感に大いに依存している。箱守仙一郎 元ワシントン大学教授

イシュー分析とは何か
 解の質を十分に高める必要がある。(本当に意味のある問題=イシューの見極めは1章で述べてある)
 ストーリーラインづくりと、それに基づく絵コンテづくり、このふたつを合わせてイシュー分析という。分析のイメージ作りを行う過程。
 ストーリーラインづくりを2章、絵コンテを3章で説明。
 ストーリーラインづくりは、「イシューを分解して、ストーリーラインを組み立てる」
 
 イシュー起点でストーリーを組み立てる
  劇的に生産性を高めるためには、このイシューとそれに対する仮説が正しいとすると、どんな論理と分析によって検証できるかという最終的な姿から前倒して考える。
  
イシューを分解する
 意味のある分解とは
  答えを出せるサイズまで分解していく。つまり、適切な課題の大きさにする。そして、MECE+本質的に意味のある固まりで(意思を持って)分解
 事業コンセプトの分解
  例:事業コンセプトとはなにか。1.狙うべき市場ニーズ 2.事業モデル
 イシューを分解する型
  使い勝手がよいのが、where:どのような領域を担うべきか。,what:具体的にどのような勝ちパターンを築くべきか,how:具体的な取り組みをどのように実現していくべきか。。
 型がないときには逆算
  最後に何がほしいのかから考え、そこから必要となる要素を何度も仮想的にシミュレーションすること。
 イシューを分解する効用
  ふたつ。課題の全体像が見えやすくなる。サブイシューのうち、取り組む優先順位の高いものが見えやすくなる。
 分解してそれぞれに仮説を立てる
  見立てがあればいいが、なくても強引にスタンスを取る。あいまいさを排し、メッセージをすっきりさせるほど、必要な分析のイメージが明確になるため。
  ふたを開けてみないとわからない、とは決して言わない。

  サブイシューを洗い出す際には、「何がわかればこの意思決定ができるか」という視点で見る。
  フレームワークはこだわると、本質的なポイントを見失ってしまう。万能ではないことを頭に入れておく。

ストーリーラインを組み立てる
 典型的な流れは次のような感じ。
 1.必要な問題意識・前提となる知識の共有
 2.カギとなるイシュー、サブイシューの明確化
 3.それぞれのサブイシューについての検討結果
 4.それらを統合した意味合いの整理
 簡単にまとめると、前提の共有→イシューの明確化→検討結果(事実)→整理(示唆)
 
 事業コンセプトのストーリー
  先述の事業コンセプトの例
  1.問題の構造
  2.狙うべき市場ニーズ
  3.事業モデル
  4.事業コンセプトの方向性
 脚本・ネームづくりと似ている
  ここで知恵を絞りぬく。
 ストーリーラインの役割
  ストーリーラインは、伴走者!
 ストーリーラインの2つの型
  〇WHYの並び立て
   最終的に言いたいメッセージについて、理由や具体的なやりかたを、並列的に並び立てることでメッセージをサポートする。重要な要素をMECEで選ぶようにする。
  〇空・雨・傘
   空:XXが問題だ(課題の確認)  西の空がよく晴れているな
   雨:この問題を解くには、ここを見極めなくてはならない(課題の深堀)  今の空の様子では、当面雨は降ることはなさそうだ
   傘:そうだとすると、こうしよう(結論)  だとすると、今日傘を持っていく必要はない
   多くは、雨の課題の深堀がどこまでできるかが勝負どころとなる。
  ※ピラミッド構造の絵

2章 感想
ストーリーラインづくりは、「イシューを分解して、ストーリーラインを組み立てる」。型がないものは逆算する。課題が見えると、優先順が見えてくる。
典型的な流れは、前提の共有→イシューの明確化→検討→整理。

■3章 仮説ドリブン② ストーリーラインを絵コンテにする
実験にはふたつの結果がある。もし結果が仮説を確認したなら、君は何かを計測したことになる。もし結果が仮説に反していたら、君は何かを発見したことになる。 エンリコ・フェルミ ノーベル物理学賞

絵コンテとはなにか
 プラモデルや建築における設計図のようなもの。ただし、設計図だけでは、論理という太い柱が欠けた建築物になる。その論理とはここまでみてきたイシューの見極めと分解、それに基づくストーリーラインづくりだ。
 2章の内容だけでは、言葉だけのもの。具体的なビジュアルと組み合わせることで急速に最終的なアウトプットの青写真が見えてくる。
 自分なら、どういう分析結果があれば納得するか?どんな分析結果が欲しいのか?を起点に分析イメージをつくる。大胆に思い切って描く。
 
軸を整理する
 分析の本質
  分析とは、比較すること。公正に対象同士を比べ、違いを見ること。優れた分析は、タテ軸、ヨコ軸の広がり、すなわち比較の軸が明確。
  どのような軸で、違いを見ることができるか?ということだな。
 定量分析の3つの型
  比較:一般的な分析
  構成:全体と部分を比較。市場シェア、コスト比率など
  変化:時間軸上での比較。売上推移など。
 分析表現の多様さ
  実際には軸のかけ合わせが多い。
 原因と結果から軸を考える
  原因と結果でどのような比較が必要か考える。  
 分析の軸を出す方法
  例えば、プロセスとか、ブレストしてグルーピングするとか。

イメージを具体化する
 数字が入ったイメージつくる
  まずはどの程度の精度のデータが欲しいのかイメージする。
 意味合いを表現する
  比べた結果、違いがあるかどうか。示唆を明確に表現しようということ。

方法を明示する
 どうやってデータを取るか
  使える手法の意味と限界について、正しく理解しておくことが、取り扱えるイシューの幅を広げることになる。

なじむには相当な年数がかかるので、ご意見番的な人や相談に乗ってくれるひとを何人か持っていることが大事。

3章 感想
論理とはここまでみてきたイシューの見極めと分解、それに基づくストーリーラインづくり。絵コンテはそれを支える要素。
どんな分析結果が欲しいのか?を起点にすると、仮説検証になり進めやすそうだ。

コラム
閾値を超えない入力は意味を生まない。脳は異質な差分を強調して情報処理をする。理解するというのは、情報をつなぐこと。情報をつなぎ続けることが記憶に変わる。

■4章 アウトプットドリブン 実際の分析を進める
アウトプットを生み出すとは
 限られた時間で、いかに本当のバリューのあるアウトプットを効率的に生み出すか?正しい心構えの理解が必要。
いきなり飛び込まない
 いきなり、分析や検証の活動をはじめない。必ず最終的な結論や話の骨格に大きな影響力を持つ部分がある。そこから手を付ける。粗くてもよいから、本当にそれが検証できるのかについて、答えを出してしまう。(このやりかたは、RPA検証でできた)まずは右なのか、左なのか、答えを出す。
答えありきではない
 都合の良い情報ばかり集めない。木を見て森を見ずということを避ける。天動説と地動説の話。地動説を唱えるならば、天動説の論拠を地動説でも唱えるとか。
 フェアな姿勢で。
 
トラブルをさばく
 2つのトラブル
  リスク管理の話。途中で重要論点が崩れた時に備え、2重3重の検証に向けた仕掛けを仕込んでおく。
  できる限り、前倒しで問題について考えておくこと。think ahead of the problem.
 トラブル ほしい数字や証明がでない
      構造化して推定する。例)ゲーム業界は、ソフトウェアで大きく売り上げ利益を出しているといったことを検証場合、短信資料には載っていない。全体売上=ハード売上+ソフト売上、といったように構造化する。
      足で稼ぐ:例)直接、表参道の人通りを調べる
      複数のアプローチから推定する:多面的な、数値推定。「単価×売上個数」「市場規模×市場シェア」など、数値を求める場合に複数のアプローチ方法で計算し、概算値を求める。おおよその数値を求めることができる。
      
 トラブル 自分の知識や技では埒が明かない
       ききまくる。聞きまくれる相手がいるというのは、スキルの一部。
       期限を切って、解決のめどがつかなければ、その手法は見切りをつける。

軽快に答えを出す
 いくつもの手法をもつ
  一つのやり方に固執しない。
 回転数とスピードを重視する
  停滞しないこと。受け手にとっての十分なレベルを理解する。やり過ぎない。

答えを出せること。エレガンスよりもスピードという姿勢を実践。

4章 感想
いきなり飛び込まない。重要なポイントが必ずあるので、そこを押さえることにまずは注力する。検証方法はひとつでうまくいくとは限らないので、いくつか準備をしておく。リスク管理
とにかく、答えをスピーディーに出すことを念頭に置く。

■5章 メッセージドリブン 伝えるものをまとめる
「本質的」「シンプル」を実現する
 仮説ドリブン→アウトプットドリブン→メッセージドリブン
 伝える目的は次。
 1.意味のある課題を扱っていることを理解してもらう
 2.最終的なメッセージを理解してもらう
 3.メッセージに納得して、行動に移してもらう
 心構えは、「賢いが無知」の受け手として想定する。
  
 一気に仕上げる
  どのような状態になったらこのプロジェクトは終わるのかということを具体的なイメージを描く。価値あるアウトプットを出すために。
  複雑さは一切不要。
  本質的、シンプルのふたつの視点での磨きこみ。
 
ストーリーラインを磨きこむ
 3つの確認プロセス
 プロセス 論理構造を確認する
       基本的な論理構造の確認。WHY型、空雨傘型。
 プロセス 流れを磨く
       優れたプレゼンテーションとは一つのテーマから次々とカギになるサブイシューが広がり、流れを見失うことなく思考が広がっていくもの。混乱の中からひとつの絵が浮かび上がってくるようなものではない。
       紙芝居型の荒磨きをして、リハーサルを行う。
 プロセス エレベータテストに備える

チャートを磨きこむ
 優れたチャートと磨きこみのコツ
  次の3要素からなる。
  メッセージ:ex)イギリス料理の評判の悪さは主に負の遺産によるもの
  タイトル:ex)イギリス料理を評価する人の割合の変化
  サポート:(メッセージを支えるグラフや図)
  面白いデータだから。といったメッセージのハッキリしないチャートは不要。
 
 コツ 1チャート1メッセージを徹底する
     このチャートで何を言いたいのかということを、しっかり言葉に落とす。何を言わないかも大切になってくる。本筋に関係のないところは大胆に削り捨てる。ふたつ以上のことを言いたいなら、二つ以上のチャートに分断する。
 コツ タテとヨコの比較軸を磨く
     軸の選択を公正にする(恣意的にしない)。軸の順序に意味を持たせる(プロセスなど)。軸を統合・合成する(共通軸をつくって重ね合わせることで絡まりあった世界がシンプルに比較できる世界になる)。軸の切り口を見直す(スポーツ飲料、人の属性でなく、飲む場面)
 コツ メッセージと分析表現をそろえる
     例えば、実施前後で差分が十分に出るように手直しするなど。
     
コラム
イシューから始める思想と、結果を生み出すことに対するコミットメントの強さ。科学者として、コンサルとして学んだこと。生み出した結果そのものが自分を支え、励ましてくれる。

5章 感想
本質的に、シンプルに、相手に伝える。賢いが無知の相手に。
意味のある課題と認識を合わせ、メッセージを理解してもらい、行動に移してもらう。そのための工夫はたくさんある。いちばんは、1チャート1メッセージ。
日々の修練することで、より精度が高くなっていく。自分で経験していくしかない。


【この本を読んだ感想】
重要なのは、解く前に見極める、ということ。これがイシューから始めるということであり、生産性向上につながると認識した。労働量によって、価値のあるアウトプットを出すのは、もう古い。というよりは、情報量も多い、IT技術は日進月歩といういまのように環境変化が著しい場合、そのやり方が通じないということだと思う。
仮説を立てて検証、という内容はこの本にも記載があった。こういうスタンスは、非常に重要なんだな・・・安宅さんも岩田さんも言っているんだもの。
あとは仕事を進めていく中で、意識して経験値をためていくしかない。

【今後活かせること、具体的なアクション】
それは、本当にイシューなのか?の問いかけ。これは解く前に見極めるということ。
答えを出せること。エレガンスよりもスピードという姿勢を実践。

悩まない。考える。
イシュー度を上げて、解の質を上げる。この順番。
仮説検証。そういうスタンスを取る。
答えを出せること。エレガンスよりもスピードという姿勢を実践。

【気に入った文章・言葉を3つ】
・5分しか働いていなくても、合意した以上のアウトプットが出せていれば問題ない、というスタンス。どこまで意味のあるアウトプットを生み出せるか。そんなプロフェッショナル的な生き方へスイッチを入れることが、高い生産性を生み出すベースになる。 
・本質的で、深い仮説で、答えが出せることがよいイシュー。
・分析とは、比較すること。公正に対象同士を比べ、違いを見ること。

【こんな人に読んでほしい】
限られた時間の中で効率的に成果を上げたい人
生産性についてヒントを得たい人
実績のあるビジネスマンの著書を読みたい人
労働量で成果を語る人にはなりたくない人
プレゼンや論文でストーリー作りや絵コンテなどの作成方法を学びたい人