しろもうふのひきだし

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読書備忘録#5_1分で話せ

読書備忘録#5_1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
伊藤羊一さん

【読もうと思った動機】
上司から、「お前の言っていることは理解できない。俺はそこそこの大学を出ていて、俺の理解が足りていないということはない。ほかの言う人のことはわかりやすい。だから、お前の説明の仕方が悪い」と言われたことが昔、ありました。なので、相手にわかりやすく伝えるために、何かヒントが欲しくて、この本を手に取りました。
なお、子どもがこの本の題名をみて、「言葉遣い悪いね」と言っていました。

【概要】 はじめにから
95%の人は、いらない話を省けないばかりに、伝わらない状態になっている。もっと短く伝えられていたら、相手はもっとあなたを信頼していたかも、しれない。
伝えるための「根本」を教えてくれる本。
ざっくりまとめると、次のような感じ。
動かしてなんぼ。できることはなんでもやろう。
ピラミッド構造を意識する。結論と根拠のセット。
「スッキリ・カンタン」に伝える。

■序章 そもそも伝えるために考えておくべきこと 相手が動いてなんぼ
人は相手の話を80%は聞いていないという前提で、どのように相手に1分(短い時間でインパクトを残すか)で伝えるかについて述べている。この本でいうプレゼンとは、人に動いてもらうこと。プレゼン力=動いてもらう力。1分でまとまらない話は、何時間かけて話しても伝わらない。逆に言えば、どんな話でも1分で伝えることはできる。まずは、1分で話せるように話を組み立てよう。
ビジネスでおもしろいのは、ロジックに基づいた話。世間話やこぼれ話ではない。
人を動かすには、左脳と右脳の両方に働きかける必要がある。

序章まとめ
まずは1分で伝えられるように、話を組み立てよう。人に動いてもらってなんぼ、のプレゼン。


■1章 伝えるための基本事項
相手は誰か?どんなことに興味があるのか?
「何のためにプレゼンするのか」=「誰に、何を、どうしてもらいたい」。相手がいる。アメリカのピッチコンテストに挑戦したCEOの例。審査員にプレゼンしているところをイメージさせた。聞き手のイメージに基づいて伝える内容を作り上げていく。

ゴールはなにか?「理解してもらう」はゴールにならない
スピーディに仕事を進めるには、聞き手がどこまでやればいいのか=こちらが、どこまで相手にやってほしいのかを決める。言語化する。

結局、動かしてなんぼ きれいに話すのは目的じゃない
なぜプレゼンをするのか。それは相手が自分が望むゴールにいないから。とにかくゴールに相手を動かしていく。これが求められている。だから、動かしてなんぼ。なので、挨拶、席順、フォローなどできることはなんでもやる。相手が動くために、できることをすべてやりきること。

1章まとめ
ゴールを見定める。そして、動かしてなんぼ。できることはすべてやりきる。たしかに。そうでないと反省も生まれない。本気の失敗には意味がある。

■2章 1分で伝える -左脳が理解するロジックを作る-
てっぺんのないピラミッドになっていないか
1分で伝えるの根幹は、結論と根拠のセットを構築=ピラミッド構造でロジカルにストーリーを考えよう。

考える=結論を出す -事実やデータは結論ではない
大前さんの「考える」:考えるとは、知識と情報を加工して、結論を出すことだ
著者の「考える」:自分の内にあるデータや自分の外にあるデータを加工しながら、結論を導き出すこと。
結論とは、聞き手に受け入れてほしいこと。
コツは、自分に問いを立ててみること。ピラミッドの下にある根拠を並べて、「だから何?」と問うてみる。そして出てきた答えに対して「本当か?」「ファイナルアンサー?」と問う。

根拠は3つ -ピラミッドで枠組みを共有しよう
人に提案する場合は必ず根拠がある。3つくらいが分かりやすい。「私の主張はXXです。理由は3点あって、1点目はこう、2点目はこう、3点目はこう」といった具合。
実際に、変化があった体験あり。こうすることで、みんなメモし始めた。ここで、重要なことに気づく。聞いている人の頭の中に枠組みを作ること(マッピング)ができればよりしっかりと理解してもらえる。
言い方変えると「相手の頭の中に自分が伝えたいことの骨組みや中身を『移植していく』作業」がプレゼン。自分が伝えたいことを伝えていく行為とは異なる。

意味がつながっていれば「ロジカル」
主張と根拠を言うとき、聞いている人にとって意味がつながっていることが「すぐ」わかることが大事。
意味が通じない場合は、ロジックが隠れている。

「基本的に」は不要 いらない言葉をいかに削るか
相手の理解促進のため、不要な言葉は削る。カンタンな、中学生にわかるような言葉を選ぶ。たくさん話したくなるのは、話し手のエゴ。

頑張ったことは話すな
×プロセスを話す:XXを検討してきて、XXをした結果こうなって・・みたいな。
×気を遣いすぎる:Aさんのプランもよかったです。資料もわかりやすくて・・・。でもBさんのほうがよくて・・・
×自分の意見をは違うことを言う:A案に賛成なのに、B案についてあれこれいう
×笑いを入れる:笑いは不要。ビジネスで面白いのはロジック。

通じないときは前提をそろえておく
アタリマエだな。気づきにくそうだけど。例えば、こんな事例において、今の時代において、このコミュニティで、とかそういった前提を意識すればよい。

2章まとめ
動かしてなんぼ。相手に聞き入れてほしいことはなに?結論を、3つくらいの根拠で支えるピラミッド構造で伝えることを考える。
不要な言葉はどんどん削る。頑張ったことは話さない。それは話し手のエゴ。


■3章 相手を迷子にさせないために「スッキリ・カンタン」でいこう
集中してきいてもらうための「スッキリ・カンタン」
一瞬でも聞き手が迷子になってしまうと、集中力をこちらに向け続けてもらうことは難しい。迷子は、わからない言葉が2,3個出てきたらそうなる可能性が高い。
なので、スッキリ・カンタンを心がける。

言葉もスライドも「スッキリ」が鉄則
使う文字・言葉を少なくし、文章をややこしくしない、要は、短く、言い切る。
コツ:グラフにする、状況を位置にはめる(自分とマーケットの距離の間には、上司、本部、営業、販売店がいる)、過去現在未来の時間軸。
著者は、聞き手の人数に合わせてフォントの大きさを変えたり、している。

カンタン 中学生が理解できる言葉しか使わない
中学生でもわかる言葉を使って、絶対に迷子にならないようにしている。わかる人だけわかればよい、というものではなく、広く聞き手に理解してもらいたいのであれば、スッキリ・カンタンは重要。

3章まとめ
聞き手はその言葉を確実に分かるか?しっかりと想像する。
要はスッキリ・カンタン。無駄なものは削る、グラフや位置、軸で表現など視覚的に訴求する。

■4章 1分でその気になってもらう -右脳を刺激してイメージを想像しよう-
正しいことを言うだけでは人は動かない

人はイメージを想像することで感情が揺さぶられる

イメージを描いてもらうために行うふたつのこと
ビジュアルを見せる。未来都市の例。言葉で説明するよりも、絵で説明した方がわかりやすい。
ビジュアルで説明できない場合は、「たとえば」で具体的な事例を示す。結論ー根拠ー具体例って感じ。

ピラミッドは3段で作ろう 「結論」→「根拠」→「たとえば」の3段ピラミッド
1段目         結論
2段目     根拠       根拠     根拠
3段目 実例 実例    実例 実例     実例 実例
作成時は、どの段から作ってもよい。ただし、すべての線において「~だから、~である」と読んでみて通じることが重要。

「想像してみてください」
相手に、イメージに入ってくれるように、このお願いをする。そして、素晴らしいと思いませんか、と方向感を伝える。
相手をコントロールするときに有用な手段。

4章まとめ
右脳への働きかけの章。ピラミッドの3段構成が重要。論理性が高い。


■5章 1分で動いてもらう
「超一言」で包み込む
自分の伝えたいことを、一言のキーワードで表す。それが「超一言」。人は忘れるもの。
キチリクルン。孫さんにも好評。

ライブでダイブ

リトルホンダを作る(ミランに移籍した時の、本田圭佑さんの言葉))
話している自分と相手を俯瞰で見る。そうでないと、相手の気持ちが理解できず、相手に伝わらない。
簡単に言えば、「相手の気持ちになる」ということ。(厳密には無理なので、相手と自分を置き換えて自分ならどう感じるかを考える、と理解した方がよさそう)
優れたリーダーは、メタ認知(主観の自分を意識すること)が優れている。)

根回しだってアフターフォローだって必要ならばやろう
動かしてなんぼ。できることはなんでもやろうぜ、ということ。

5章 まとめ
言いたいことをひとつのキーワードで表すことが重要。たしかに。それだけ集約できれば、すごい。わかりやすい。思いが凝縮されている。
メタ認知を高めて、相手の立場に立って、伝えることが重要。アタリマエだな。


■6章 伝え方のパターンを知っておこう
プレゼンの枠組みはある。
SDS:Summary-Datail-Summary。詳細をまとめではさみこむ。
PREP:Point-Reason-Examle-Point。主張と根拠のピラミッド。
PCFS:Problem-Change-Solution-Future。
いろんなフレームワークがある。重要なのは、どう組み立てたら相手を動かすことができるのか、流れがシンプルになるのか、ということ。

伝えたい言葉はあるか
いちばん重要なのは、あなたの「想い」。著者は、我が存在をかけてこのプレゼンをするという気持ちでプレゼンするとのこと。
伝えたい言葉がありますか?相手を動かしたいならまず、自分自身を動かせているか。そんなことを振り返ってみたら。

動かしてなんぼ
考えられるあらゆる手を使って。キチリクルンの時は、結果的に300回練習したらしい。
相手が動くためにできることを、すべてやりきりましょう。そしてそのために時間を惜しんではいけません。

6章まとめ
伝えるためのいろんな枠組みがあるが、重要なのは、相手に伝わるか、シンプルになるかということ。
動かしてなんぼ。できることは惜しみなくやろう。


■7章 実践編
【会議】とっさに意見を求められて真白になる
落ち着いて、相手の問いが何なのか確認する。
ポジションを取ることが大事。白か黒か。結論を出して、根拠を考えて、反論があれば、してくる。それが議論。間違っていたら訂正すればいい。
上司はマネジメントという「機能」を持っているに過ぎない。人間的に優れているわけでもないし、能力が全てにおいて部下よりも優っているなんてあるわけがない。大きい責任を背負っているから、給料が高い。
「配慮はしても、遠慮はするな」

【プレゼン】自分の話を聞いてくれているような気がしない
声を大きく、相手に向かって話す。伝えたい思いを言葉に忍ばせる。

【上司への提案】プレゼンではなく、対話を意識しよう
まずは、ピラミッド構造の意識から。それから、対話によって上司とピラミッドのすり合わせをする。相手が誰であろうが、どんな状況だろうと、何より大事なのは力づよい主張と根拠のピラミッドを作ること。
イメージは、自分のピラミッドと上司のピラミッドを出し合ってよりよいピラミッドを作る、そんな感じ。
自分が主導権を握って、相手のピラミッドを作っていこう。
対話や議論の主導権は、上司が握るべきものと思ってしまっていませんか。それは違います。話をしていくうえで、主導権は自分にあったほうがやりやすい。仕事のペースを自分で握ることは重要。
しっかりと自分の意見を言うことは、上司と信頼関係を築くうえで大事なこと。「配慮はしても遠慮はするな。」
お互いにより良いものをつくっていこうというスタンス。これは上司も部下も同じ。意見が合わないときは、同じ方向だ、というところまで遡る(方針まで遡る)

【取引先との商談】提案よりも問題解決で信頼を作る
相手の課題を解決するのが営業の仕事。

ファシリテーション】広げて絞る流れを意識しよう
会議のファシリテーションは、主張と根拠のピラミッドを参加者の発言によってみんなで作り上げていく作業をリードするもの。
ゴールを決める。その会議で何が決まればよいか?どこまで深堀するか?という線を決めておく。そして、「本日のゴールはXXをXXすることです」と明記する。ホワイトボードに書くとか。
→ピラミッド構造の頭。結論のこと。
広げる、軸を決める:議論のネタがたくさん出てくるように。そしてどういう軸で何を議論すればいいか提示する
→ピラミッド構造の「根拠の枠組みをどう作りましょうか」ということ。3つの根拠のハコをどんなものにするか、みんなで決めるプロセス。
絞る:軸について話しながら、それぞれの結論を出す。
→そのハコのなかにどんな根拠が入るのか、ということ。
ファシリテーターはこの流れをコントロールする。
注意点:結論は誘導しない。事前準備を必ず行う。

 

【この本を読んだ感想】
目次で、大事なことを言っている。1分で話せは、最初の方だけ。
ピラミッド構造、結論と根拠はセット。相手の立場で考える。ダイブする。スッキリ・カンタンに。そしてシンプルに。
ポジションを取るのが大事っていうのは、この本でも語られている。


【今後活かせること、具体的なアクション】
・ピラミッド構造で、相手とすり合わせする。対話やファシリテーションで意識する。
・超一言。キーワード。これは、ブランディングでも役立ちそう。
・スッキリカンタンに。シンプルを意識!わざわざややこしくしない。(常に意識しているつもりではあるけど)
・てっぺんのないピラミッドになっていないか?ゴールは明確か?
・動かしてなんぼ。これが最終目的。

【気に入った文章・言葉を3つ】
・配慮はしても、遠慮はするな
・たくさん話したくなるのは、話し手のエゴ。
・1分でまとまらない話は、何時間かけて話しても伝わらない

【こんな人に読んでほしい】
・伝えるためのロジックがよくわからない人
・論理だけで相手に伝わると思っている人
・お前の話は分かりにくいといわれた人
・説明下手だな~て言われたことのある人