しろもうふのひきだし

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読書備忘録#11_佐久間宣行のずるい仕事術

読書備忘録#11_佐久間宣行のずるい仕事術
佐久間宣行さん

【読もうと思った動機】
ゴッドタンです。テレ東のこの番組がとても面白くて、気になってました。そのプロデューサーが佐久間さんということで、さらに独立したと聞いて、とても普通の人ではないなということで気になり購入しました。


【概要】
佐久間さんが伝えたことを6グループに分け、それぞれ説明をしている。彼が悩み考え、実行したきた数々のエッセンスが積み込まれている。真正面で消耗するをのを止めて作戦を立てる。全部で、14+9+9+8+13+9=62の項目があるが、ここでは印象に残ったものをまとめていく。


■1章 仕事術編
・楽しそうを最強のアピールにする。組織にいるうえで、不機嫌でいるメリットなどひとつもない。
・雑務がチャンス。サッカー部マネージャーのただの弁当作りを、おにぎりをサッカーボールに見立てることで、台本が変わった。そこで、ただの雑務が、「佐久間さんの仕事」に変わった。このとき仕事の楽しさを初めて味わったとのこと。
・ミスをしたときは、素直に、誠意を尽くして、ただ謝る。これに勝る謝罪法はない。うちの会社は頭が固くて・・・などは誠意のある対応とは言えない。こういうこときこそ、その状況を食い止められなかった責任を全部背負って会社を代表して謝る姿勢を相手に見せたい。人は、会社とうまくやる人、応援されている人と組みたいと思うもの。いっときの感情に流されず、どうすれば仕事がやりやすくなるか、チャンスをつかめるかをトータルで考えることが大事。
・ホウレンソウ。共有すべきは、進捗状況と優先順位。マイクロマネジメントはイヤだよね?ホウレンソウをさぼると上司は監督不行届となり、上司も自分も自由が奪われる。
・相談の仕方にもコツがある。なぜ、あなたに相談するのかを伝え、あなたに相談することに意味があると分かってもらう。相談のゴールは愚痴への共感ではなく問題解決。
・仕事は全部、縁から始まる。たとえその時はご一緒できなくても、この先何があるかはわからない。だから、自ら縁を切らないコミュニケーションを心がけるべき。相手の立場を想像したら、とにかくすぐに決断して動いたほうがいいに決まっている。できる限りの想像力を持って誠意をもって対応するのだ。また声をかけたいと思ってもらえるように。
・こいつに任せたらスムーズに進みそうだ、と思わせれば勝ち。
・会議は直後に要点を整理して、その場で解決できる問題や出せるアイデアはアウトプットしておこう。直後の復習に力を入れた方がずっと効率的。佐久間さんは、その日の要点、次の会議に達成すべきこと、AIを書き留めるようにしている。会議直後の5分間のひと手間が、1週間後の自分の評価を変える。
・正しい努力が必要。それには、ひとつひとつの仕事に対して、「こうじゃないか」と仮説を立てて、頭の中でそれを組み立てるクセをつけるのをオススメとしている。仮説を立てて実行し、実行したら検証する、ズレていたら修正。これを繰り返す。ピラメキーノの例示。
・社内初は、ローリスクハイリターン。
・キャリア選択に一般論を取り入れたら、みんなと同じキャリアしか築けない。
・ブランド人とは、「信用と期待を持たれている人」のこと。佐久間さんは30代に入ったくらいから会社から離れても生きていけるように自分をブランド化しようと考えてきた。

1章まとめ
改めて言語化すればアタリマエのことのように思える。しかし、自分の考えをアウトプットするのはとても大変なこと。
ここでは仕事に対する姿勢もあるし、具体的な行動もあり、構造化するのは難しい。しかし、どれも大切なエッセンスのように思える。


■2章 人間関係編
・メンツ地雷を踏んではいけない。そういう時、人は他人を攻撃する。新規プロジェクトが歓迎されづらいのは、旧プロジェクトに関わっていた先人を下げるような発言をしてしまうことがあるから。相手のメンツを立てることが次の策。メンツを立てることは、社会人としての戦略。魂を売ることとは異なる。幼稚な感情に振り回されると回りまわって自分が損をすることになる。大切なのは、障壁なく仕事ができる環境を手に入れること。
・コミュニケーションは「最短距離」より「平らな道」を行くこと。最短距離は、デコボコだらけの悪路を走るようなもの。会社のためと自分の未熟さを伝えるとよい。例:誰でも作れる番組より、自分にしかできない番組を作った方が会社の利益になりませんか? → ゴールデン番組を作るのが苦手なので、それは得意な方にやっていただいて、自分は精一杯、会社に貢献できる仕事をしたい。 自分を捨てきれない状態で「俺」を出して戦うとロクなことがない。
・横柄な態度はコストが高い。仕事は縁でできている。人は偉そうにするチャンスがあると、偉そうにする生き物だ。でも、それではダサいし、一瞬の虚栄心を満たすには失うものが多すぎる。
・相手とのやり取りを不毛なバトルに発展させないためのテクニック。それが、「コント:嫌いな人」。自分の置かれている状況を俯瞰してみるクセをつけると、カッとしたり傷ついたりと、感情が乱れる回数は減っていく。コントをするということだな。OK。
・合わない上司は分析する。論理的アプローチをとる。言っていることに一理あると思ったら〇、聞き入れられないと思ったら×というように。〇ばかりだったら、言い方などが気になるということで、改善策を要求する。×ばかりだったら、上司の上司に相談する。○×の表を持って。上司と部下は対等な関係。理不尽な上司がいるとき、部下である自分が我慢すべきだなんて思ってはいけない。
・ほめることは最高の娯楽であり、コストのかからない最強のビジネススキルでもある。ほめるということは、相手の武器が分かるということ。
・陰口はコスパが悪い。心穏やかに過ごしたいと思うなら、悪口を言わないことからスタートしよう。悪口は具体的なリスクもはらむのだから。

2章まとめ
人間関係編ということで、示唆に富んだ内容だと思う。感銘を特に受けたのは、最短距離より平坦な道。まさにそう。正論や一時の感情でコスパの悪いコミュニケーションをしてしまうことはあるからね。二度と、そういうことはしません。


■3章 チーム編
・チームで活躍するには、自分のキャラクターやスキルをできるだけ客観的に正しくメンバーに理解してもらう必要がある。自分が勇者なのか僧侶なのか。そうでないと、適当な仕事にアサインされて結果の出ないドツボの沼にはまってしまう。自分の得意をどう、見つけるか。それは、努力の割に評価されることのなかにある(岩田さんも似たようなこと言ってた)。そんなに努力していないのに、やたら褒められる。そんなところに才能が隠れている。少ない努力で結果を出せる武器は、自分がそこにいてもいいという心の安心材料にもなっていく。
・やってみる?と振られた仕事は、ひとまず引き受けてみればいい。自分の得意不得意をしることができるし、社内に顔を売ることができるから。鍛えるべきところ、諦めるべきところ。それがわからないと、単なる交換要員になる。使い勝手はいいが、突き抜けた長所のない人になってしまう。チャレンジは自分の解像度をを上げることにつながる。
・組織で働く以上、自分のキャラクターをわかってもらえない限り、望むチャンスは巡ってこない。何度でも、XXXをやりたいと伝える勇気が必要になる。企画書を何度も何度もだして、佐久間さんはやりたいを行動で示していた。
・夢につぶされないために大切なこと、それは分解。分解して、具体的な目標に置き換えることが大切。地に足がついた具体的な目標を掲げる人は、長距離走を完走できる。
・チーム編成のコツ。自分ができないことをできる人と組む。プロジェクトのコンセプトや企画の核を作るときは感覚が近い人と組み、実行するときは自分と真逆のタイプの人を入れるということ。
・面白さのキモやファンの気持ち、番組に流れる文脈。隅から隅まで理解した人間がつくるからこそ、核心を突いたコンテンツを世に出せると思っている。こだわりとかプロ意識が「餅は餅屋に丸投げ」させず自分がやってアウトプットにコミットさせるんだな。
リスク管理として、責任の所在をハッキリさせておくも大事。誰のどういう判断で実行するのかを明らかにし、それをまわりにも周知する。自分が発起人でないなら、そのことを明らかにすることで自分の身を守るのだ。

3章まとめ
やりたいことがあるなら、行動で示そう。やってみる?は積極的に受けよう。チーム編成は、フェーズによって入れるメンバーを変える。自分と感覚が近い人、真逆の人。自分が発起人でないなら、そのことを明らかにしておくこと。


■4章 マネジメント編
・リーダーがだれより、本気で、楽しそうに働くこと。
・リーダーは、メンバーのいいところを見つけるのがとても大事。人は「自分がいなきゃ」という存在価値を感じてこそパワーを出す。
・会議でのアイデア発出は、次のアイデアの呼び水として活用する。けして、一蹴しない。以降、自分の意見をだしてもらえなくなる
・お酒の場で、絶対説教をしてはいけない。注意はあくまで仕事として伝える。個別に。
・どれだけ思い入れがある仕事でも、自分一人でできることなんてひとつもない。だからこそリーダーは、みんなで同じ方向に進めるよう、言葉と態度で示していこう。
・問題児には先手を打つ。不正解な行動は「ダサい」という空気をつくってしまう。「嫌なやつ」の捏造する方法もある。あの局には理不尽をまきちらすディレクターがいて、誰にも慕われていないらしいとか。過去のトラブル事例の捏造にも応用可能。言われたとおりのトラブルは誰も起こしなくないからね。このような捏造はウソなので誰も傷つかず、チームがいい雰囲気になるからいい。
・トラブルに至った、仕組みを特定し、それを解決すること。そうでないと、A君が成長しても忘れたころに別のB君が同じ問題を発生させてしまう。
・部下の仕事は引き取らない。部下はラクだが、成長しない。かなり面倒だし手間のかかる作業だが、いつか部下からもあのやり方で育てられてよかったと思ってもらえるはず。

4章まとめ
チーム運営において、みんなと同じ方向に向かった進むことが大事。いいところを見つけて、伝えて、ときには嫌なやつを捏造して反面教師を示したりすることで、いい雰囲気を作りながらやっていく。ただし、相手を注意するときはあくまで仕事として個別に伝える。


■5章 企画術編
・企画書は、出すものではなく通すもの。企画書は誰が読むのか?その相手は何を求めているのか?会社としてのメリットは?つまり、企画を通したいと思うなら、組織の「中の人」を説得するだけの材料を集め、ロジックを組み立てて、自分の「おもしろい」に説得力を持たせること。
・発想術:反転法 例)ソクラテスのため息~滝沢カレンのわかるまで教えてください~。 掛け合わせ法 例)不倫×逃避行、不倫×純愛など・・・まだ世にないであろう「設定」から、新しい企画に育てていくやり方。
・自分の感覚を信じずマーケットばかり見ていると、絶対途中で冷めてしまう。最後の最後に、手を抜いてしまったり、世に出すとき恥ずかしくなって下を向いたりしてしまう。一滴でもいいから原液を混ぜておこう。これは俺の仕事だぜって思えるように。
・面白さの核を見つけることが大事。それは「おもしろい」を因数分解できること。核を自分が理解していないと、きちんとプレゼンできなかったり、見当違いなことを言われたり、勝手に企画を変えられたりする。
・企画を仕組み化する。モチベーションに左右されにくくなる。企画にするとは、自分のアイデアをここがおもしろい、と人に伝えられるカタチにすること。佐久間さんは、「メモを見返す日(3日に1回)」、「ノートを整理する日(2週に1回)」「企画書に練り上げる日(月1回)」をルーティンにしている。未来の自分に強制的にその仕事をさせる。時間が足りない?ルーティンとして企画に投じる時間を盛り込もう。
・失敗には、悪い失敗といい失敗がある。悪い失敗は、仮説がない挑戦の結果もたらされるもの。いい失敗は仮説を踏まえた挑戦の先にあるもの。(いわゆる、本気の失敗には意味があるの本質)。ここまで考えつくしたのなら、失敗しても仕方ないと思えるまで考えたか?が大事。バットを振り切ることができるし、たとえ失敗しても仮説のどこが間違っていたのか、検証ができる。
・ダラダラと負け続けない。そういう人は、損切りができない人。そうならないために、初期設定として期間と目標値を決めておく。
・10年後の自分をクリエイターたらしめるのは、今日のインプット。

5章まとめ
おもしろいの核、本質を説明できるか。因数分解が必要。プレゼンは、誰が何を求めているのか?を意識。
時間がないならルーティン化。いい失敗、悪い失敗がある。これは仮説思考。


■6章 メンタル編
・たかが仕事。「真剣」にはなっても、「深刻」になってはいけない。いい仕事はすべて、心の健康の上に成り立っている。佐久間氏がいつも楽しそうに見えるのは、仕事を絶対視せず、「仕事と自分」や「仕事関係者と自分」にほどよい距離感を持ちづづけているからかもしれない。一度メンタルを崩すと、調子を戻すのに時間がかかる。戻らないことだってある。仕事は大事。だからこそ、「たかが仕事」の割り切りが必要になる。いい仕事はすべて、心の健康の上に成り立っている。
・期限を決めてゴールを設定し、そこまでは全力で努力してみる。期限を区切れば腹もくくれる。逃げるヒマも、言い訳するヒマも、腐るヒマもない。やり切ってから進退を判断しないと、逃げた気持ちや後ろめたさが自分に残る。
・ときはエゴをつらぬく。自分が不満を感じるルールや慣習は、他の誰かも同じように不満を感じている可能性が高い。
・運を味方につける。究極的には仕事はすべて、運で決まる。運とは、信用の積み重ねだと考えている。運と縁はとても近い。ただし、基本的には自分でコントロールはできないが、不意に訪れる運を、落とさないようにすることならできる(この考え方はつまり任天堂、「やるべきことを全力でやり遂げた上で運を天に任せる」)。愛想とは、いついかなるときも機嫌よくフラットでいようとする態度とそれを貫く意志のこと。自分の機嫌は自分でとる。みやぞんも言ってました。運は、いつどのようにやってくるかわからない。信用の橋をコツコツかけておけば、忘れたころに驚くような運の来訪があるだろう。つまり、未来の自分にプレゼント、種をまいておくということだね。希望。諦めるな。
・再生産。3~5年後に向けた中期目標を立てる。目の前の仕事に、目標達成のために必要な要素を足していくイメージ。佐久間氏は、5年後には映画を撮ってみたいと考えた時に、映画を作っている制作チームをバラエティに巻き込んで仕事をした。ただ、自分のために仕事を広げると代替まわりに嫌な顔をされるが、それは仕方ない。コツコツ種をまいておかないと、3年後5年後のじぶんは変わらない。恐ろしい。。。
・省エネモードがあってもいい。ただ、サラリーマン。会社やチームのマイナスの存在にならないよう義務はきちんと果たしつつも、できる限り省エネで働くということ。給料分はきちんと働き会社に返す。裏では淡々と詰めを研いでチャンスを待つ。今の仕事に、「ない仕事を作る」のもおすすめ。佐久間氏のやりたくなかった演歌番組での、歌手のエピソードを再現VTRにする、といったように。どれだけ興味の持てない仕事でも「どうせここではつまらない仕事しかできない」と腐らずに、ない仕事をつくり出す。自分でキャリアを作る方法だってあるのだ。
・奇跡を信じる。ピラメキーノの例。仕事のもやもやは沼のようなもの。まずは沼から脱出する。変化とは「起きる」ものではなく「起こす」もの。

6章まとめ
最終章だけど、一番重要な章だと感じた。メンタル、考え方だから。
仕事は真剣にはなっても深刻になってはいけない。やり切ってから、考え抜いてからでないと後悔する。私はそれに、やり切らないと反省ができない、ということを付け加えたい。
自分の機嫌は自分でとる。運はどこでやってくるかわからない。その運を落とさないようにすることならできる。やるべきことを全力でやり遂げたうえで運を天に任せる。いつでも機嫌よくフラットでいること。その姿勢。


【この本を読んだ感想やまとめ】
自分が擦り減らない方法を佐久間さんがまとめてくれている。読めばどれも納得。自分からこのレベルをoutputできるのはいつになるのだろうか。。。経験がとても生きている。ここでも仮説思考の重要性が説かれていた。大体どの本でも書かれている。あとは、自分が好きな仕事や成果を出すために、仕事をしやすい環境をどうすれば手に入れられて、どう考えているのかわかった。相手のメンツを立てて、障壁のない環境を手に入れる。感情に流されない。岩田さんもどれだけ私情をなくせるか、って言ってたな。


【今後活かせること、具体的なアクション】
・陰口は言わない。コスパが悪い!
・横柄な態度はとらない。ダサいし、コスパが悪い!
・コミュニケーションは「最短距離」より「平らな道」を行く。
・目の前の仕事に、目標達成のための要素を付け加えていくイメージ。実際に、何か足してやってみる。今の環境を使い倒す。目標達成のために。
 誰かにプラスの影響を与えること、それが自分に返ってくること、社会に反映されて、よりよい社会になっていくことが私のミッションだ。砕けた言い方すれば三方ヨシの改善版ともいえる。
 例えば、考え方をや成果が誰かに伝わり、その人が成果を出して世の中がよくなって、その人の人生と私の人生が交差して、私がそれを実感できれば、こんな喜ばしいことはないと思う。
 社会課題を解決したいっていうだけでは足りなくて、自分も、特定の誰かもハッピーになることも大事なんだ、私にとっては。その特定のだれかは、おそらく自分と似ている人。それは環境でも考え方でも何でもいいと思う。 この本とバンプを聞きながら、まとめました。


【気に入った文章・言葉を3つ】
・人間関係は、最短距離よりも平坦な道を。
・たかが仕事。「真剣」にはなっても、「深刻」になってはいけない。
・いっときの感情に流されず、どうすれば仕事がやりやすくなるか、チャンスをつかめるかをトータルで考えることが大事。大切なのは、障壁なく仕事ができる環境を手に入れること。
・失敗には、悪い失敗といい失敗がある。悪い失敗は、仮説がない挑戦の結果もたらされるもの。いい失敗は仮説を踏まえた挑戦の先にあるもの。

【こんな人に読んでほしい】
・人間関係に悩んでいる人
・仕事でココロが擦り減っている人
・今の仕事に不満はないけど、将来何をしたらいいのかわからない人
コスパよく仕事をしたい人
・ゴッドタンが好きな人