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読書備忘録#12_世界のエリートはなぜこの基本を大事にするのか

読書備忘録#12_世界のエリートはなぜこの基本を大事にするのか
戸塚隆将さん

【読もうと思った動機】
2013年発行の本。その辺にいる一般人の私でも、エリートと呼ばれる人のなにかを学べればいいなと思い、購入した記憶があります。当時、割と売れていた本だったような。


【概要】
著者がこの本を書こうと思ったのは、トップグローバルファームの社員や世界で活躍するトップビジネススクールの卒業生には何らかの「常識」「価値観」「ルール」のようなものがあるのだろうかと疑問に思ったから。共通項があるか、ということだと思う。整理しそのエッセンスを一言でいえば「基本に徹する」ということ。次の4つ。
①人とのつながりを大切にする
②自分磨きを一生継続する
③日々の成果出しに強くこだわる
④世界的な視野を常に意識する
本書は、この4つのポイントを具体的に6章48項の基本として紹介している。


■1章 人とのつながりに投資する
利害関係を超えたつながりを信じること。それは直感、運命、人生、カルマ、なんであれ。先を見越して点をつなぐことはできない。振り返ってみて初めて点をつなぐことができる。
だから将来何らかの形で点がつながると信じること。
HBSの学生は、毎日の自習10時間+授業という中でもほかの学生との交流に時間を使う。なぜならば、人との時間に投資することを重要視しているから。
利害を超えて多くの時間を共有してきたから、学生時代の友人とは親しくなるし距離が近いと感じる。効果があるのは、できるだけ前回と異なる環境下で時間を共有すること。
相手に興味を持つ。where are you from?
先輩や上司を慕うことでFBがもらえる。それは飲み会の場とか会社以外の場所が多いらしい。
週1回、仕事と関係のない人に会う。

1章まとめ
人と会うのが面倒な私には難しいことが多かったように思える。週1回仕事と関係の名人に会うのはまず無理だ。なんらかのコミュニティに参加すべきか。
先を見越して点をつなぐことはできないには共感。未来へのプレゼント、だよな、すべての経験が。
人脈がビジネスや信用を広げていく、ということだと思う。


■2章 自分の内面と外見を磨く
心に余裕があると行動にも余裕が生まれる。行動に余裕があれば心にも余裕が生み出される。日頃からアフターユーを大事にしている。
すみません、ありがとうの件。ありがとうか、申し訳ありませんのどちらか。
正解のない問題を考えるクセをつける。自ら課題を設定し、論理的に考え、結論を導き出す姿勢が大事。
インプットそのものでは差をつけにくく、そのインプットからいかに自分なりの意見を持ちさらには意味合いを導き出せるかこそ、価値の源泉になりつつある。読んだ時間の3倍考えなさい、と大前さんは言っている。章ごとに手を止めて、要旨を書き出すこと。用紙を部類分けして、論理構成を整理してみること。などが挙げられる。
新聞などは、読んだらその情報に人々がどう反応するか考える。例えば、iPhoneの発売日が延期というニュースがあったら、競合他社はどうするか、部品供給メーカーの影響はどうなるか、景気はどのような影響を受けるか、など。あとは紙でみるとか、2紙+英字+海外サイトとか。新聞によって優先度(1面とか2面とか)は異なるので、その差異を考えることで自分の考えがよりユニークで骨太になっていく。
結論を述べて、理由を3つ述べた時に、自分の結論が弱いな、と感じたことはありませんか?それは、論理力とコンテンツ力(結論メッセージ)は比例関係にあるから。マッキンゼーでは、ロジックが通ったチャートと呼ばれるものを通して、ロジックを整理し骨太の結論やメッセージを導き出すプロセスを徹底している。世の中にありふれた意見であっても、その結論をバックアップする根拠がしっかりしているものであれば、貴重な意見になる。逆に斬新な意見であっても根拠が弱ければ、ただの思い付きやでたらめと捉えられる。
「空→雨→傘」 So what? Why so? だから何?それはなぜ?脳に汗をかく。考えるプロセスは、頭の回転が速い人であっても調べるよりもずっと多くの時間と労力がかかることもある。
論理的に考えをまとめ、意見を言う際に頭の中だけで完結できる人は多くない。紙に書き出すことにより結果的に物事が整理でき、生産性も高まる。落書きをするイメージ、書き出して整理、何度も書き直して図や表などを書いて整理していく。クリティカルシンキングの本でもあったなたしか。
ポイントは3つあります。その利点を3つにまとめると次の内容。
①論点を分解またはまとめる→論理力 表象的な課題を分解し、本質的な課題に掘り下げる効果がる。分解することでより具体的な課題解決につながる。
②優先度をつける→時間管理力 注力すべき課題や論点を絞り込むことで限られた時間を有効に活用することができる。優先度の高いポイントを絞り込む。
③説得力を増す→コミュニケーション力 根拠や理由は少なすぎても多すぎても効果は半減する。
健康管理は大事。健全なる精神は健全なる身体に宿る。身体を動かそう。コツは無理をしないことかな。その日の体調や気分に合わせて軽く汗を流す程度。
服装は個性よりも清潔感。ゴールドマンやマッキンゼーの人たちは制服か、というくらい没個性。

2章まとめ
・正解のない問題を考えるクセをつける。自ら課題を設定し、論理的に考え、結論を導き出す姿勢が大事。
・「空→雨→傘」 So what? Why so? だから何?それはなぜ?脳に汗をかく。考えるプロセスは、頭の回転が速い人であっても調べるよりもずっと多くの時間と労力がかかることもある。何度も書き直して整理する。
・健全なる精神は健全なる身体に宿る。


■3章 時間に支配されずに働く
目の前の忙しさにかまけ、ついつい5分の遅刻を仕方ないと思ってしまうこと。陥りやすい錯覚だ。自分を客観視し、自己規律を保つこと。
HBS卒業生で活躍しているそうそうたる講師陣が口をそろえて語ることは、ワークライフバランスの大事さ。
朝一にメールチェックなどの作業的な仕事に取り組まず、最も頭のさえている時間帯は行き詰まった作業の打開策を見出すことや新しいアイデアを考える時間に使う。
忙しく尊敬できる先輩は、翌朝出社時から全力で仕事に取り掛かれるように、TODOを書き上げ、優先順位付けをしてから帰宅していた。
どんなに願っても、週末が永遠に続くことはない。オフからオンへ切り替えをするために、いくつかポイントがある。
①週末楽しかったことを振り返る。 XXXをまたしたいね、とか、料理がおいしかったね、とかその程度でいい。コレ、結構いいかも。
②1週間、月曜日の1日のtodoリストを確認する。
③いつもより15分目覚ましを早くセットする。 というより、日曜日早く寝ましょう、ということだ。
仕事が廻らなくなった時の優先順。書き出してみるとそれだけで整理される。限られた時間の中でどう優先度をつけていくか、そして生産性が下がらないように冷静にひとつひとつ対処していくこと。

3章まとめ
どんなに忙しくても時間を守ること。
ワークライフバランスを大事にする。たかが仕事との割り切り。
朝の重要な時間を作業的な仕事に使わない。
仕事が廻らなくなったら紙などに書き出して優先度と所要時間を勘案して手当てをする。


■4章 決定的なコミュニケーションで成果を出す
ノートの取り方。常にノートを手の届くところに置いておくこと。会議や打ち合わせは、とにかくメモを取りながらのぞむこと。
仕事を頼まれたら、その場で完成イメージを共有すること。そのために、5W1Hが有効。
イメージを共有することで、指示を出す側の上司も十分にイメージしていないかもしれないアウトプットを意識してもらえる利点がある。
そして、引き受けた仕事は5分間限定で「すぐ」やる。段取りができる。アポイント調整が必要かもしれないし、発注処理が必要かもしれない。さらに、直後であれば簡単な質問してもおかしくない。
上司へのホウレンソウは先手必勝。基本は上司に聞かれる前にすること。ホウレンソウは仮説思考型で。XXと考えていますがよろしいでしょうか?結論の導き方に対して信頼してくれるようになる。
仕事をうけたら7割でいいので翌朝報告を目指す。

4章まとめ
このコミュニケーションはとても重要だと感じた。どれも当たり前にわかることだけど、実践している人はごく少数。
事前の段取り、仮説思考、タイムリーなホウレンソウ。仕事ができるってこういうことなのかしらん?


■5章 利益を生む資料と会議で貢献する
作った資料は自分の商品だと心得る。今後はこのようなマインドを強く持たないといけないな。。
プレゼン資料は、まずは手書きで。この方が結果的に良いものができあがり、時間も短縮できる。たしかにその実感がある。考えるプロセスに集中できる、つくり直しが早い、メッセージとチャートの本質にフォーカスできる。
マッキンノートがあるくらい。
attention to detailが不足している資料を見ると、中身ではなく作成者の詰めの甘さと仕事の不十分さが伝わる。
統一感に注力する。中身をレビューせずに、細部の誤りチェックに集中する。
会議では発言の義務が課されていると考えるべき。会議の準備をしっかりすることが重要で、自分なりの結論と根拠を用意しておく。仮説思考。
プロジェクトルームで先輩のノートを見た時、図表をかきながらメモをすらすらとっていた。議論の本質を捉え、論理的に整理しながら視覚的にメモをしていた。
会議をまとめるために必要なスキルは3つに集約される。①自分の意見を押し付けずに聞き手に回る ②意見を引き出す適切な質問を投げかける ③意見の本質を捉え視覚的にまとめ上げる

5章まとめ
結局、プレゼン資料等は何のために作るのかの問いかけに尽きるような気がする。社内資料であればそこまで気を使わない方が効率的だが、対役員やほかの会社であれば注意する必要がある。
今後は、ノートをまとめるときに視覚的にまとめることを意識しよう。本質をとらえていることになる。
外国人と議論をする場合。戦略的に役取りをする。議論が白熱すればするほど、前提条件があいまいになり、前提条件の共有が不足しがち。議論を大局的に俯瞰し、それぞれの発言内容の前提条件、因果関係を大まかに捉えていけばよい。


■6章 世界に打って出るキャリアを高める
世界中の世論は英語で論じられた主張が形成する。日本語でいくら声高に意見を発しても誰も聞いてはくれない。英語は、論理コミュニケーション力。英語上達には3つのコツがある。①目標を明確にする。TOEIC900がわかりやすい。②短時間で成果を上げる。ビジネス英語の使い手としてのビジネスパーソン像を中長期の目標とし、短期的にはTOEIC。毎日必ず英語に接し、一気に短期成果を上げる。③英語の構造を意識して基礎から学ぶ。
リーダーシップとは役職ではなく実際の指導力と統率力のこと。リーダーシップがあるからチームや組織を率いるポジションにつく。
自分の中で「逃げた」経験を作らない。会社を辞める際は必ず「卒業」する。
自分のノートをカバンに入れて持ち歩くようにしている。自分の目標管理にとても効果がある。特に効果的だと思うのが、中長期の目標管理。ノートを読み返すことを目的とせず、書き出すプロセスを重視している。その時、その時の気持ちを反映して、再度目標を書き出してみる。書き出すプロセスが身体の中に目標を染み込ませ。「やるぞ」という気持ちを奮い立たせてくれる。見返すだけでは心に響かず、結果、目標実現にドライブがかからない。
状況に応じて細部は変更しても構わない。

6章まとめ
英語上達は短期的に成果を上げる。実用英語は論理性と堂々とした態度が大事。キャリアは自分の届くギリギリのところまで背伸びをする。中長期の目標管理には「自分ノート」を作って愚直に書き込む。


【この本を読んだ感想やまとめ】
改めて読むと、当たり前のことを書いているように見えるが、この内容をoutputするのは今の私では無理。実行も結構難しいものが多い。まずは意識改革から始めて、少しずつできることを増やしていくしかない。
常に自分を成長させつつも、人脈や信用といったことを重要視し、短期的にも長期的にも科学的な視点を重視していると思った。仮説思考はここでも出てきたな。脳に汗をかく。頭の中だけで論理的に考えをまとめることが簡単にできる人は多くない。世界のエリートであっても。じゃぁ、やろうぜ。書こうぜ。
会議中も、メモをしてまとめていこうぜ、論理的に構造的に。あとで資料にするときもすぐにできるように。
時間にコントロールされるのではなく、時間をコントロールする。これってダラダラと時間を無為に過ごさないということかしらね。


【今後活かせること、具体的なアクション】
・帰宅前に翌日のTODO確認、優先順位をつけてから帰る。
・週末楽しかったことを振り返る。 XXXをまたしたいね、とか、料理がおいしかったね、とかその程度でいい。
・仕事をうけたら7割でいいので翌朝報告を目指す。事前に成果物のイメージを共有すること。
・今後は、ノートをまとめるときに視覚的にまとめることを意識しよう。本質をとらえていることになる。


【気に入った文章・言葉を3つ】
・論理的に考えをまとめ、意見を言う際に頭の中だけで完結できる人は多くない。紙に書き出すことにより結果的に物事が整理でき、生産性も高まる。脳に汗をかく。
・利害関係を超えたつながりを信じること。それは直感、運命、人生、カルマ、なんであれ。先を見越して点をつなぐことはできない。振り返ってみて初めて点をつなぐことができる。だから将来何らかの形で点がつながると信じること。
・正解のない問題を考えるクセをつける。自ら課題を設定し、論理的に考え、結論を導き出す姿勢が大事。

【こんな人に読んでほしい】
・ビジネスの基本的なことを知りたい人
・ビジネスのおさらいをしたい人
コンサルティング業界の人
・生産性が上がらないと最近感じている人